4年元日に発生した能登半島の地震ですが、被災後2ヶ月経過しても1万9千戸が断水したままです。
2ヶ月もの長きに亘って断水が続く生活を想像すると、1秒でも早く復旧することを願わずにはいられません。
ただ願っても意味がないので、僕が出来ることとして、災害対策の役に立つような記事を公開します。
この記事を読んでいただければ、次のことを知っていただけるかと思います。
- 雨水が生活のどのシーンで役立つか?
- 雨水で生活の6割は賄える可能性
- 雨水利用に必要な設備の紹介
- 設備の設置実例
それではやってまいりましょう。
家庭での水の使われ方

普段、家庭ではお水はどのように使われているのでしょう?
ランキング形式で見てみましょう。
引用:https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/shiyou/jouzu.html
- お風呂・・・43%
- トイレ・・・20%
- 洗濯・・・・16%
- 炊事・・・・15%
- その他・・・6%(洗面など)
やはり、お風呂が43%と大半を占め、ダントツの1位です。
バスタブにお湯を張るだけでなく、シャワーも使いますから当然といえば当然ですね。

続いて、トイレ、洗濯・・と続きますが、3位までを合計すると80%近い数値になります。
これらは飲用水でなくてもなんとかなりそうですから、生活に必要な水のほとんどは雨水でなんとかなるかもしれません。
ただ、お風呂に限っては、お湯を沸かす設備が必要です。
雨水を給湯器に引き込んで温めるという方法も考えられますが、バスタブに一度溜めて追い焚きする手もありそうです。
ちなみに僕のうちであれば、追い焚きでしょうね。
風呂釜でマキを焚いて沸かすことが出来るからです。
本記事とは関係ないですが、燃料となる木が確保できれば、チェンソーや斧などでカットする必要はあるものの、燃料代が無料でお風呂を沸かせます。
関連記事があるので、よろしければお読みください。
一般家庭の水の使用量
続いて、1ヶ月あたりの水の使用量を調べてみました。
引用:https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/shiyou/jouzu.html
- 1人世帯:8.1立方メートル/月
- 2人世帯:14.9立方メートル/月
- 3人世帯:19.9立方メートル/月
- 4人世帯:23.1立方メートル/月
- 5人世帯:27.8立方メートル/月
- 6人世帯:34.1立方メートル/月
世帯あたりの人数が多いほど、1人あたりの使用量は少ない傾向にあるようです。
大体の計算ですが、4人以上が同居する世帯であれば、1人あたり毎月6立方メートル弱という具合になりそうです。
1日あたり毎月6キロリットルとすると、毎日換算で、1人あたり200リットル必要という計算になりますね。
雨水利用に必要な設備とは?

お風呂と洗濯以外に、トイレでも雨水を利用したいところですが、実現するには複雑な工事が発生しそうです。
DIYでは難しそうなので、一旦検討対象から外すことにします。
それでも、お風呂で43%、洗濯で16%。合計で6割近くを雨水で代用できるなら、効果は大きそうです。
雨水をうまく使えるような設備を整えれば、断水時でもお風呂と洗濯に困らないようになるはず。
おまけに、エコロジーでエコノミー。
ということで、以下について触れてまいりましょう。
- どんな設備が必要か?
- どのように設置するか?
ここではモデルケースとして、4人家族を想定して考えてみましょう。
必要な設備
4人家族の、お風呂と洗濯で必要な1日の水の量は以下のとおりです。
200リットル/人 ✕ 4人 ✕ 60% = 480リットル
ということで、1日480リットルを完全に雨水で賄うことを考えてみましょう。
貯水タンク
雨水を溜める貯水タンクは必須アイテムですね。
問題は、どれくらいの容量のものが必要か・・ということです。
結論としては、オススメはホームローリータンク(500リットル)です。
ただ、どうしても大容量のものが欲しかったり、2段・3段と重ね置きしたい場合は、IBCコンテナ(容量は1000リットル)がいいでしょう。
1日に480リットルが必要とすると、仮に10日間日照りが続いても耐えられるようにしたい場合、貯水タンクの総容量は4.8キロリットル必要となる計算です。
しかし、いきなりそれだけの大規模な設備を整える必要はありません。
必要であれば、注ぎ口をパイプで連結することで増設出来ますから、小さくスタートして、必要に応じて増設していくのが得策です。

そんなわけで、コスパの良いホームローリータンクをおすすめしますが、
「どうしても、タンクを積んで高さを活かしたい」
というこだわりがある場合のみ、IBCコンテナから始めても良いでしょう。
ホームローリータンク(500リットル)
500リットルのプラスチック製のタンクです。
青や赤、黄色など、色が選べますが、黒をおすすめします。
黒であれば、以下の利点があります。
- タンク内に藻が生えにくい
- 太陽熱を吸収して温まりやすい
特に白いタンクだと、藻が生えやすいようです。
購入先はホームセンターかネット通販です。
ネット通販の場合、大型貨物を取り扱う運送業者さんの要望なのか、個人宅宛は取り扱いしていないところがあるようです。
楽天市場で注文したら、お店から電話がかかってきて話が出来ます。
僕は法人名を伝えましたが、お店も色々配慮してくれそうな印象でした。
IBCコンテナ(1000リットル)
主には業務用で、例えば薬剤や塗料、調味料やジュースなどを混ぜ合わせるために使うようです。
周囲が頑丈な金属製のフレームで囲われていて、上に積めるのがメリットです。
ただ、新品だと5万円くらいします。
中古品も、ヤフオクやジモティに出品されています。
1万円を切るような価格帯で購入可能ですが、過去の使われ方が気になりますね。
もし、劇物や農薬など、人体に害がありそうな液剤の管理に使われていたとしたら、洗濯やお風呂などでは、安心して利用することは難しいです。
また、白い容器だと、藻対策も必要ですが、これはIBCタンク専用のカバーをかければ解決です。
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雨樋とパイプ
屋根から流れ落ちる雨水をタンクへ流し込むために、雨樋とパイプを使います。
雨水の流水経路を作る必要があります。
タンクを設置する場所を決め、無理なく流し込めるように、必要であればパイプを支える柱なども設置します。
雨樋は、丸型や角型があります。
雨樋から別の雨樋やタンクへ流し落とすためのパイプとの継ぎ手も必要です。
設計して、必要数分手配し、それぞれ組み付けて行く必要があります。
実例
では、僕が設置した設備を実例として紹介いたします。
概要図
かんたんに図で示すと以下の通りです。

貯水ですが、IBCタンクの上にホームローリーを乗せています。
合計で1.5キロリットルです。ここに、雨水を集めます。
屋根→ホームローリー

写真にある通り、雨樋は屋根の際と壁沿いの2本あります。
屋根の際にある雨樋は、写真に写っている屋根に降り注ぐ雨を集めます。
壁沿いの雨樋は、別の屋根に降り注ぐ雨を受けて集めます。
最終的には1つのパイプに集約され、ホームローリーへと流れ落ちます。
ただ、雨と一緒に土埃やゴミが流れ落ちてくるので、それをろかするためにろ過マットを使います。
汚れたろ過マットは取り替えられるよう、ダイソーで小物入れを買ってきて加工しました。

ホームローリー→IBCタンク・屋内外
ホームローリーに集まったお水で、貯水しきれない分はIBCタンクへ。
使いたい分は屋内外で使えるようにします。
そのために、ホームローリーの排水口にソケットを取り付けます。
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このソケットを使うことで、「25A」というサイズのパイプへと接続することが出来るようになります。
このソケットから、屋内外への使用用と、ホームローリーに入らない分の水をIBCタンクへ流し込む用に分岐します。

この写真だとわかりにくいかも知れませんが、「屋内用」「屋外用」「IBCタンク用」の3つに分岐しています。
一番手前にあって、左側の赤い蛇口につながっているパイプが「屋外用」です。
蛇口をひねれば、ホームローリーの中の水を畑に散水することが出来ます。
右側の柱沿いに、上に伸びたあとでまた下に繋がり、IBCタンクの口へつながっているパイプが「IBCタンク用」です。

こうして、パイプを一旦上につなげることで、そこまで水位が上がらなければ、IBCタンクへ水が流れ落ちない様になっています。
奥側へ伸びているパイプが「屋内用」です。
このパイプをお風呂場へと引き込みます。

お風呂ではこんな風になっています。
ホームローリーに溜める時点でろ過していますが、お風呂に入れる前にさらにろ過して使います。

設備の構築費
全部で約5万円くらいかかりました。
- ホームローリー:約1.5万円
- IBCタンク(中古):約2.5万円(送料込み)
- 雨樋・パイプなど:約0.7万円
- 枕木:約0.3万円
上水道代を0.4万円とすると、今回の設備で50%浮くとすると回収に2年かかる計算です。
そう考えると、ぶっちゃけお得かどうかは疑問ですね。
ただ、雨さえ降ればお水には困らない生活が送れそうです。
IBCタンクの水の用途
IBCタンクに溜まった水は今のところ畑で散水するように使おうかと思っています。
ただ、黒いIBCタンクなので、夏場は太陽熱でお湯になるのでは?と思っています。
ゆくゆくはポンプで吸い上げてお風呂に使う方法についても考えていこうと思います。

大容量の1000リットルですから
有効に使いたいところですね。
1500リットル、どれくらいでいっぱいになる?
上述にてご紹介した通り、我が家の貯水タンクはIBCコンテナ1000リットル+ホームローリ500リットルの合計1500リットルです。これがどれくらいでいっぱいになるか?
結論から言うと、「一晩」です。
設置当初、とても興味があって、早く実験したかったのです。
その願いが天に通じたのか、設置したその日に、結構激しい雨が降ってくれました。
とは言え、夏の夕立のような豪雨ではありません。
「春にしては強めの雨」が夜通し降り続き、朝になったらタンクは一杯になっていました。
当初、しっかりと補強しておらず、IBCタンクの上にホームローリーを乗せていただけでした。
ホームローリーは満タンになったら500キロ。
この重さに耐えきれずにIBCタンクのフレームが曲がってしまいました。

上の写真だとわかりにくいかも知れませんが、上に乗ってるホームローリーが左に傾いて、IBCタンクが陥没してしまっています。
これをなおすために、9cmの角材4m分をカインズホームで買ってきて切断し、ホームローリーの枕木として置きました。

最初からこうしていればよかった・・。
飲用水として使うには?

もし雨水を飲用水として使うことが出来たら最強ですね。
うまくすれば、全く蛇口をひねることなく生活することが出来るかも知れません。
しかし、一見きれいに見える水でも、雑菌や寄生虫など、水あたりを引き起こす要素は沢山あるはずです。
そこで考えているのがこちらの商品。
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これを使えば、なんとお風呂やプールの水だけでなく、川の水もろ過して飲めてしまうとのこと。
他にも同様の製品がありますが、この製品の製造元であるミヤサカ工業は長野県の会社なので、応援したいと思います。
こちらは、また買ってレビューしたいと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか?
雨水を利用すれば、生活の60%~80%を賄うことが出来ます。
そして、もし断水が発生したとしても、雨さえ降ってくれれば、ある程度は水に困らない生活が送れるかも知れません。
僕の場合は、自分の興味を満たすために、回収に2年ほど必要になりそうな設備を導入してしまいましたが、コスパを考えるならば、設備はDIYしながら徐々に揃えていけばいいと思います。
天からの恵みを有効活用するために、この記事が役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

僕は田舎で半農半X生活をし、食料や水・エネルギー・お金と心が
満たされた暮らしをしています。
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